今年はコロナの影響で四谷中学校をお借りしての運動会は中止になったが、保育中にかけっこやダンスをみんなで見せ合う「運動の日」がこの12日に行われた。気になる空模様だったが、すべて終わってお部屋に戻る頃まで雨も待っていてくれた。
年中組のダンスは「パワフルパワー」。あちこちの幼稚園保育園で人気のある曲。新沢としひこ作詞中川ひろたか作曲。ゴールデンコンビだ。
このうたで「呪文の言葉」として出てくるのが「ワタシハワタシヲシンジテイル ワタシノチカラヲシンジテイル」。「涙がポロポロこぼれる時」や「心がぺしゃんとつぶれた時」に使ってみてよとうたわれる。「あとは気持ちしだい」とも(!!)。
だいたい「子どもたちがうまく踊れるか」だけに気持ちがいっちゃっているので、うたの歌詞を味わうところまではなかなか到達しないのだけど、改めて書き写してみると、いいうただなぁ。
メロディが軽やかで力強いからとてもポジティブに響くんだが、歌詞の内容はけっこうシビアだね。大人の方が「涙がポロポロ」だったり「心がぺしゃんと」だったりするよなぁ、と思ってみたり。そういえば子どもの頃は本気で「ワタシノチカラヲシンジテ」いた、本気でなんにでもなれると思っていたなぁ、とか。
長じて結局「なんにでもなれる」と信じていたのが「なんにもなれない」ことを痛いほど味わいつくし、現状を受け入れる以外ない…なんて書いたらちょっと悲惨だけど、実は文字面ほどではなくて、むしろこの現実にこそ本当の幸せを見出そうとしているのかも知れないな。そういう意味では「ワタシハワタシヲシンジテイル」んだよね。根拠も何もないんだけど。
辛くて心が折れて膝を抱えるように現実を抱える以外ない時だって、自分を信じることができるのはありのままの自分が受容されてきた経験があるからだよね。受け入れてくれた無数の愛、その愛された経験こそがパワフルパワーを生み出すんだね。